平成12年度9月議会

平成12年度 代表質問

<市政運営方針> 毎年度のはじめに「枚方の行政を1年間どういう方針で運営していくか」について最高責任者である市長が議会と市民に説明します。
市民の方には、毎年「広報ひらかた」でお知らせしています。

※3月議会ではこの<市政運営方針>にたいして、各会派の代表者が質問します。
速記・テープ起し等に時間が掛かるのですが、6月の終わりには前文・前擬委員の議事録が市内の図書館に配布され、閲覧可能となります。

昨年12月に市長自らが、このまま行けば2年後には企業で言う倒産・赤字再建団体転落という財政緊急宣言」を出され、そのような状況下での平成12年度の行政方針説明です。
質問事項
  1. 全体として

  2. 退職職員の再雇用について

  3. 学校宿日直代行員の募集について

  4. その他

  5. 最後に

1.全体として

(池上)
 市政運営方針全体として、言葉では緊急・決意と述べられているが、 現在枚方市の置かれている状況の認識が甘い。 「千年紀の幕開け」「21世紀のかけはし」「地方分権の担い手」等大層ではあるが 意味のない言葉の羅列が多く、増やす事業について
  • 「学校園での菊作り」
  • 「21世紀かけはし事業」
  等、具体的かつ多くの事業を予定されているが、市民及び行政の痛みを伴う部分、減らす事業についてほとんど触れられていない。財政再建は「肥大化した事務事業の精査」「既得権益の見直し」このことこそがまず最初にあげられるべきです。
 「お尋ねします。」平成12年度の市政運営にあたり、市長の最優先課題はいったい何であるのか?
このことを明確にしなければ市民も職員も再建に向ける覚悟ができません。

(市長)
 平成12年度の最優先課題は行財政再建緊急対応策を着実に実行し、財政再建団体への転落の危機を回避することである。

2.退職職員の再雇用について

(池上)
 平成10年度末の退職者107人中50名を再び雇い入れている。その総計が1年間約3億円以上にのぼる。再建団体転落の赤ランプ、「退職手当基金」さえ底をついているような状況の中で 若い職員との世代間不公平、新卒採用試験の不実施によるいびつな年齢構成、今後10年間に支払わねばならない280億にものぼる膨大な退職金の額、このような時期にこのような制度を何年も採用されてきたことについてどう思われているのか、平成12年度はどうするつもりなのか?

(市長)
 60歳定年の導入、早期退職対象年齢の引き下げに伴い両制度を設置した。制度適用に当たっては、本人の勤労意欲・退職前の勤務状態等を勘案している。

(池上)
 現在の枚方市の状況は企業でいえば倒産の危機に瀕し、株主(行政でいえば市民)の配当を落とし、現に雇用している従業員の人件費にさえ切り込んでいる。
このような状況の中で、退職金まで受け取って退職した職員をなぜ雇わなければならないのか?
週4回出勤で年間600万円弱の給与!特別就業該当者などは、市のもと幹部職員です。
この膨大な赤字の責任者ではないですか!見解を求めます。

(市長)
 高齢者再任用制度は年金の受給年齢の引き上げに伴い、国をはじめ民間企業においても取り組まれようとしている。このような社会的要請も受けて、年金の満額受給年齢までの就業体制を本市においても、現行制度の見直しと共に検討して行くことを考えている。

(池上)
 「国をはじめ民間企業においても…」いわゆる「社会的要請から」制度として確立していくとのお答えでしたが、本市の職員はすでに国基準以上の給与及び7時間半労働という時間短縮を実現しており、民間企業というなら「業績評価」「リストラもない」このような条件の中で、まだ市民から負担を求めるつもりですか。
 枚方市の勤労者の年収で一番多いのが300万円から500万円のクラスです。ひるがえって職員給与はというと年収900万円から勤労者の年収で一番多いのが300万円から500万円のクラスです。
現状でさえ支払いすぎている職員がいるのではないか、という思いが強くあります。
その上に定年退職から年金満額受給まで「働ける」、いや「給料を受け取る」制度を検討するといわれる。
バランスの取れない、手厚すぎる、法的・条例上の根拠さえ持たない!
このような制度はまさにお手盛りです。
 日々、汗水たらしながら市民のため懸命に働いた職員を対象に定年退職後も働ける制度を「妥当な給与」の中で考えようとされているのであれば一定理解もできます。
しかし現行の制度を見る限り、どんな職員でも恩恵を受けていく制度となることは火を見るよ り明らかです。
 したがって、定年退職後の再雇用・就業制度については、現行制度の存続も含め、新たな制度化についても認めない、反対である旨を表明いたします。
再雇用制度確立、平成13年度の条例制定に向けて動いています!

「既得権益にメスを入れてほしい!」

その市民の願いが中司市長誕生の原点であったはずです。

3.学校宿日直代行員の募集について

枚方市では、47小学校と20中学校に宿直・日直の代行員を1日交代制で、1校につき2名の代行員を設置しております。
その総数が134名。支払う総額が5億7218万円。一人当たり年間420万円になります。

(池上)
 広報ひらかたで宿日直代行員アルバイト募集記事が掲載されました。
平成10年度に出された事務事業再構築プランによれば「代行員制度は、退職状況に合わせながら 夜間の機械警備による管理体制に切り替える」と明記してある。
13人の退職者については事前よりわかっていたにもかかわらずなぜ機械警備へそのまま移行できなかったのか。
<再構築プランとは各論実行のない絵に描いた餅なのか。>

(教育長)
 機械警備の導入に向けて職員団体と協議を進めております。
その間アルバイトも活用してできるかぎり早く機械警備導入を図ってまいります。

4.その他

  • 公園墓地予定地の多量土砂搬入について…適切な事務執行・監視体制


  • 多量土砂搬入

  • 介護保険について
  • …介護保険開始後、現行サービスのオーバー分についての見解
  • 楽寿荘の運営について


  • 楽寿荘

  • 女性への暴力・児童虐待の実態調査と今後の施策について
  • …調査にかけるお金とひまを「駆け込み寺」等具体的な事業展開へ
  • 市民・関係団体の行う地域安全活動について

  • 枚方東消防署北山出張所の太陽光ソーラーシステムについて

  • 枚方東消防署北山出張所の太陽光ソーラーシステムについて
  • …事業展開の方針さえない1000万円の設置費用がなぜ啓発になるのか?
    環境重視のポーズだとしか思えない。
  • ごみ処理先進地への視察について

  • 京阪バス、バスカードシステム(カード対応料金徴収機)導入補助金について
  • …低床バス・車椅子対応バス運行支援ならまだしも、民間会社が「カード対応料金徴収機械」をバスに設置するのになぜ1、900万円もの税金を投入せねばならないのか!
  • 中心市街地活性化事業の基礎調査について

  • 自治会や地域コミュニティーと行政との新たな関係について

  • ボランティア推進協議会・ボランティアサポートセンターについて


5.最後に

(池上)
 今議会、各会派から多岐にわたる熱心な質問が出されました。
それに対する市長の答弁も一定評価できる部分もありますが、この肥大しきった枚方の事業をスリム化し、一時基本形に戻す。
このことが今回の答弁の中から枚方市行政自らの手によってできるとは到底思えないのです。 市政方針の中、答弁の中にも「赤字再建団体転落という最大の危機を乗り切り、本市の自治を守り抜く」と何度も出てきます。当然です。本年度の最重要項目なのですから。
 では、お尋ねします。なぜ、自治を守りぬかねばならないのですか。
守り抜けなかったら、具体的に誰にどのような影響が出るのですか。
大多数の市民はきちんと税金を納めてきました。
国民健康保険も高い!と言いながらでも払っています。
私の夫はサラリーマンです。
手厚い人員配置をしているという公民館も使ったことがなければテニスコートも使ったことがありません。「ラポール」など場所も知らないはずです。
それが突然赤字再建団体になると言われれば、「なんで!!」と思う方が自然です。
その上、市民も痛みを、市民としての役割分担を、防犯を市民の手でなどと言われる。
そんな自治を守りぬかねばならないのでしょうか。

(市長)
 財政再建の準用団体になると、国の直接的な指導が強くなり財政の再建が全てに優先することになり、新たなまちづくり事業、また本市の独自施策の展開ができなくなる。
将来に決して悔いを残さないように全力で市政運営に当たる決意である。支援してほしい。

(枚方市議会報より)

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