平成10年6月議会

 

◯池上典子議員 質問の機会を与えていただいたことに感謝いたします。

 重複する部分は避け、簡潔な質問とさせていただきますので、明瞭な御答弁をよろしくお願いします。

 通告に従い、以下、順次質問させていただきます。

 1.女性政策の現状と指針について。

 女性政策課の廃止については、昨年の暮れより内外ともに大きな議論を呼びましたが、この4月の機構改革において、総合的、発展的に女性政策を推進していくという前向きな市長の市政運営方針とともに、企画政策課女性政策担当としてリニューアルされました。

 2カ月たった段階での事業の現状と全庁的に政策を伝えていくための指針をお示しください。

 また、6月1日付『広報ひらかた』に、男子学生アルバイト募集の広告が掲載されておりましたが、この広告に対する見解もあわせてお尋ねいたします。

 2.東部について。

 1)東部周辺整備用地の検査に係る中間報告について。

 再調査の実施が昨年の12月、1月の末に調査結果が出たにもかかわらず、周辺地域への報告があったのが6月3日、なぜ地元に対する報告が4カ月も遅れるのか、お尋ねします。

 2)京田辺市の焼却施設について。

 京田辺市甘南備園の焼却施設で昨年12月にダイオキシン調査が行われましたが、その結果が1立法メートル当たり28ナノグラムという大変高濃度の値であり、前年同期の7.6ナノグラムに比べても約4倍という上昇率です。当該焼却炉の排煙のかなりの部分が枚方に流れていること。能勢町の焼却炉と同じ流動床炉であり、現在は設置して11年であるが、その老朽化が今後ますます進んでいくことを考え、その安全性に対し、京田辺市との連携はどういう形で行われているのか、お尋ねします。

 3.小学校の教材として、「ケナフ」を取り入れることについて。

 ケナフは昨年の温暖化防止京都会議でも栽培方法等が報告され、環境植物として注目されています。平成2年、当時の北川環境庁長官が国会の参議院環境特別委員会において、ケナフは木材パルプに代替できる森林保全に役立つ成長の早い植物で、我が国でも関心を持つ必要が大であると紹介され、その後、環境庁の特別予算に組み込まれる等幅広い展開を見せ、昨年のなみはや国体では表彰状にケナフ紙が採用されました。

 ケナフは植えて半年ほどすると高さが3メートルから5メートル、茎の直径が2から5センチほどに成長し、光合成能力に優れ、成育期に地球温暖化の原因となる二酸化炭素を大量に吸収し、固定化します。その葉はカルシウムが牛乳の4倍、鉄分もホウレンソウと同じくらい含み、茎は植物であるが木に近く、加工処理が簡単なことから用途の開発が期待されます。皮の部分も先ほどの紙の材料、森林パルプ材に代わるものとして大きな期待が持たれております。

 鹿児島県等において、学校教育の中で既に活用されている自治体もあります。小さな双葉が半年たったら3メートルにもなり、白いハイビスカスのような花を咲かせます。第1日目の学校教育部長の答弁の中にもありましたが、植物をはぐくむ楽しさを教える教材として、環境教育の一環として、ぜひ多くの学校で受け入れていただきたいと思いますが、お考えをお聞かせください。

 4.枚方市位置指定道路について。

 枚方市の位置指定道路の管理責任について、お尋ねします。

 北楠葉の公道に接する私道上に、設置者、所有者の不明なドラム缶が2カ所、4個置かれております。公道への出入り口に1メートルぐらいの高さのドラム缶が道路の両側にあるのですから、小さな子供たちにとっては見通しが悪く、出入りする交通の妨害となっております。事故等が発生した場合の管理責任所在、道路上の妨害物に対する処理責任について、お尋ねいたします。

 5.子ども育成計画について。

 機構改革の中で、子ども課が新たに設置され、4月に子ども育成計画が策定されました。これまでの具体的な事業展開についてお示しください。

 また、以下、見解をお尋ねします。

 子供に関連する各種事業のコントロールタワーとしての機能。例えば、先日、文教委員協議会で報告を受けましたが、障害のある子供たちを、学校が休みの日に家庭介護を依頼した場合、その介護費用を教育委員会で負担するということです。これなどは、本来、教育委員会ではなく福祉の部分で事業化するべきです。

 また、留守家庭児童会が春、夏、冬の休日にも開室している現状を考えれば、条例の「放課後」という文言を変えていく、または全体の小学生を対象とした事業の中で、包括していく等、変更が急務と考えられる箇所も幾つかあります。縦割りと言われる行政の中での子供に関する事業の調整が必要です。

 子ども課は、育成計画に基づき、0歳から18歳までのすべての子供を対象とした事業を視野に入れ、それぞれの適切な担当分野、教育、福祉、人権、女性政策等を調整し、事業展開の方向を示すコントロールタワーになっていただきたい。そして、それぞれの分野が事業を進める上で連携を、例えば、教育委員会の管理下にある学校利用等、横軸の役割を果たしていただきたいと考えます。

 計画の中に、「公私、共同して取組を進める」という文言がありますが、そのために『広報ひらかた』の子供版のようなものを発行する。または、『広報ひらかた』に子供のページを作り、子供同士、親と子、そして地域ぐるみでコミュニケーションを図る機会を提供してはいかがでしょうか。これは市長にお尋ねします。

 財政の大変な折、いろいろな部署に子供に関する新規事業を促すことは大変だと思いますが、子供は市民の1人であり、権利主体なのだという認識のもとに、一つずつできるものから今始めていただきたいと要望いたします。

 これで1回目の質問、終わらせていただきます。

◯木下 誠市長公室長 ただいま御質問いただきました女性政策の現状と指針について、お答えいたします。

 女&男のひらかたフォーラムや女性問題情報誌の発行など、継続して実施する事業につきましては、内容的に見直すべきところは見直しつつ、継承、発展させております。

 また、男女雇用機会均等法の改正など、女性政策を巡る状況の変化を踏まえ、めり張りのある施策展開を図るため、女性施策推進本部を開催し、平成10年度の重点的な取り組みについて方針を決定したところでございます。

 重点項目は、セクシュアルハラスメント防止対策の実施、審議会等における女性委員の構成比率の向上、女性職員の管理職登用に向けた人材育成対策の強化の3点でございます。

 特に、セクシュアルハラスメントの防止対策につきまして、来年4月の改正男女雇用機会均等法の施行に先行して防止指針を確立するため、男女平等推進担当者連絡会で実態調査や指針案の検討を進めるなど、防止対策の策定過程において職員参加を強化し、女と男が互いの尊厳を認め合う姿勢や考え方を身に付けた職員を育成することを重視したい、このように考えております。

 次に、男子学生アルバイト募集の広告について、お答えいたします。

 6月1日付『広報ひらかた』で夏期ごみ収集アルバイトを募集することについて、作業内容等から判断いたしまして、条件を18歳以上の男子学生といたしました。しかし、改正男女雇用機会均等法の趣旨を踏まえ再検討いたしました結果、6月15日付広報で、18歳以上30歳以下の人と募集条件を変更したところでございます。

 その後、各部において、臨時職員等の募集事務を行う際には、改正男女雇用機会均等法の趣旨に十分留意するよう改めて周知徹底いたしましたので、よろしく御理解のほどお願い申し上げます。

 以上でございます。

◯三宅一俊東部整備部長 次に、東部整備部にいただきました東部周辺整備用地の土壌検査結果に係る公表が遅くなったことについてでございます。

 市として、公表に際し、本市が専門分析機関に委託した検査結果の検出数値が先行することで、付近住民の方々に与える影響も考慮し、学識経験者による審議をいただいてからと考えてのことであり、御理解をいただきますようよろしくお願いいたします。

◯大山正勝環境対策部長 京田辺市の焼却施設について、お答えを申し上げます。

 京田辺市のごみ焼却施設で排ガス中のダイオキシン濃度が1立法メートル当たり28ナノグラム測定されたとの新聞報道があり、本市東部地域に隣接した施設でありますことから、本年5月25日に、京田辺市環境課を訪問し、情報把握に努めたところであります。

 本市におきましては、ダイオキシン類の大気環境調査に取り組んでおり、特に尊延寺地区で一部高い値が測定されたことについては、地域の皆さんの関心が強く、また心配をされていることを説明し、対策等について説明を求めたものでございます。

 京田辺市の対策としては、ダイオキシン類の発生を抑制するために、本年4月から合成樹脂等プラスチック類の分別を市民にお願いし、これらは焼却せずに埋め立てを行っていること、また焼却炉の形式は流動床方式で間欠運転であるが、燃焼管理等については、厚生省のガイドラインに基づき運転しているので、当面の基準は満足していること、また、本市と同様に、大気環境防止法の恒久対策基準を踏まえ、焼却炉の改善が大きな課題であること等説明を受けたところでございます。

 両市が隣接する環境公害問題については、お互いに情報提供を行い、連携が必要との再確認を行ったところでございますので、よろしく御理解賜りますようにお願い申し上げます。

◯榊原啓雄教育委員会学校教育部長 学校の教材としてケナフを取り入れることについて、お答えいたします。

 議員御指摘のとおり、ケナフは環境教育の有効な教材の1つであるとされております。

 したがいまして、本市の教育文化センターにおきましても、本年5月の第1回環境教育実践講座において、ケナフの種を研修受講者に配付し、受講者の学校合計15校において実験的に栽培を始めたところでございます。

 環境教育では、子供たちが身近な植物や環境に興味や関心を持ち、継続的な自然観察を通して、体験的に学習することが大切でございます。その点で、ケナフは身近に環境についていろいろ考えさせることのできる植物として、環境教育の適切な教材であると考えております。

 今後、議員の御指摘を踏まえて、教育文化センターや各学校等での研究結果を整理し、栽培に関する諸課題の検討に努めたいと思っております。

 また、紙すきなどケナフの活用に向けても一層の研究を深めながら、環境教育の有効な教材の1つとしてケナフの栽培を進めてまいりたいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◯明智英彦土木部長 次に、枚方市位置指定道路について、お答えいたします。

 御指摘のとおり、この道路の交差点の角4カ所に、本年4月上旬に「徐行」「駐車禁止」「とびだし注意」と記載したドラム缶4本がだれかにより置かれました。この道路は、昭和39年6月に大阪府より建築基準法上の位置の指定を受けた道路ではありますが、現在、個人が所有されている私道であります。

 ドラム缶撤去の方策につきまして、本市は地元から相談をお受けし、警察、本市顧問弁護士とも相談し、調査、検討をいたしましたが、残念ながら具体的方策が見出せない状態であります。地元では、最近、道路の所有者が個人であることによるトラブルを解消するため、住民自ら道路問題対策委員会を結成され、活動されていると聞き及んでおります。

 今後とも地元住民のこれら活動に対しまして、警察署と連携を図りながら、地区住民の皆様方の不安解消に向け、協力してまいりたいと考えておりますので、よろしく御理解のほどお願いいたします。

◯新庄邦彦福祉事務所長 5.の子ども育成計画について、お答えをいたします。

 議員お示しのように、平成8年4月に子ども課が新設され、本年の4月に「ひらかた 子どものえがおいきいきビジョン」として、子ども育成計画を策定をいたしました。この計画は、子供の健やかな成長と家庭の子育てを支援するため、子供施策の中期的な基本指針としてまとめたものでございます。

 今後はこの計画に基づき、これまでのいわゆる縦割り行政の弊害を除いて事業の具体化を図っていくわけですが、その調整役、推進役を担うのが議員御指摘のとおり子ども課であると認識をいたしております。

 続きまして、学校休業日における保育に欠ける児童の対応につきましては、子ども育成計画を踏まえ、教育委員会と協議の上、学校週5日制の移行を見据えながら、学校を地域の核となる広場、遊び場として位置付け、学校施設の開放の推進とあわせて本市全体として取り組みを図りたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯中司 宏市長 『広報ひらかた』の子供版、いわゆる子供広報につきましては、貴重な御意見であると受け止めております。子供たちもまちづくりの担い手の1人であり、子供たちが枚方の町に関心を深め、自分たちもまちづくりの主人公の1人であるという思いを培うことや、また家庭や地域でのコミュニケーションを図り、子供たちの心を豊かに育てていくための一助となるよう御提言の趣旨を踏まえ、子供のための情報紙として、発行の具体化に向けて前向きに検討したいと考えています。

◯池上典子議員 2回目の質問に入らせていただきます。

 要望、再質問等これで終わりにさせていただきたいと思いますので、前向きな誠意のある御答弁をよろしくお願いいたします。

 1.女性政策の現状と指針について。

 全庁的、具体的な取り組み、広報の募集広告に対する迅速な措置に対して高く評価いたします。

 実際に、訂正記事掲載後、女性応募者があったことも聞き及んでおります。啓発は、研修やパンフレットの配付、講演会等の啓発活動によってだけではなく、こういう具体的な取り組みにおいてこそ男女共同参画社会に向けての一歩を踏み出すと考えます。

 また、お答えの中で、重点項目として、セクシュアルハラスメントの防止対策を挙げておられます。女性施策推進本部には、教育委員会も入っておりますが、学校園での取り組みについては、どのような指針を持っておられるのかを教育長にお尋ねいたします。

 東部周辺整備用地の検査に係る中間報告について。

 昨年12月に制定され、本年10月から施行されることになっている情報公開条例は、「市の保有する情報を公開することにより、市政に関する市民の知る権利を保障し、市政に対する市民の理解と信頼を深め、市民の市政参加を促進し、もって地方自治の本旨に即した市政を推進することを目的とする」と書かれています。ここに示されているのは、市民の理解と信頼を得るためには、情報を公開することが必要だという考え方です。土壌の分析結果が1月に出ていることは市民も承知しているのですから、この結果をすぐに知らせるのが情報公開の精神ではないでしょうか。

 付近住民に与える影響を考慮するとの御答弁は、住民に不安を与えないようにとの配慮を意味しているのでしょうが、結果が出ているのに知らされないということは、いかに不安かは少し考えればわかるはずです。市民の市政に対する信頼を得ようとすれば、まず行政が市民を信頼しなければなりません。市民には、検査結果の数字だけを知らせても正しく理解できないだろうから、学識経験者の見解を付けてからと考えるのは、市民を信頼していないからではないでしょうか。検査結果が付近住民が直ちに立ち退かなければならないようなものではないぐらいのコメントを付けて、すぐに公表するぐらいのことはできたはずです。

 また、これから追加調査を実施するとのことですが、具体的にどのような調査をいつごろ実施し、その結果がどうであればどうするのかというようなこともあらかじめ市民に明らかにするという姿勢が情報公開の精神でしょう。そのことによって市民の市政への参加を促進しようというのが情報公開条例です。条例はまだ施行されていませんが、条例の精神は市の基本姿勢として生きているはずです。積極的に情報を市民に知らせ、ともに考えていくという姿勢を示されるよう希望します。

 また、具体的なことですが、中間のまとめの中に、下水汚泥は有害な産業廃棄物の対象には該当しないとの文言があります。これについては、昨年の12月議会で触れましたので、言及は避けますが、今回の再調査が安全性の確認と言われるのなら、過去、投棄処分された下水汚泥の経年変化を知るために、汚泥そのものの分析調査も追加されるよう要望いたします。

 京田辺市の焼却施設について。

 一連の事実については、新聞の報道で枚方市が初めて知ったとのお答えです。環境に重大な影響を及ぼす施設を他市に隣接して設置しているという認識が京田辺市に不足しているように思われますが、連携が必要との再確認を行ったとのことですので、今後に期待いたします。

 枚方市位置指定道路について。

 個人の、民々のというニュアンスが強く感じられる答弁ですが、論議されておるのは道路という大変公共性の高いものについてです。

 再度、市としての見解を助役にお尋ねします。

 終わります。

◯中野一雄教育長 学校園におけるセクシュアルハラスメントの防止について、お答えします。

 大阪府教育委員会は、平成10年度の市町村教育委員会に対する要望事項の中で、今年度新たにセクシュアル・ハラスメントの項を起こし、その方針に積極的に取り組むことを求めています。学校において、教師間、あるいは教職員による児童、生徒に対する性的嫌がらせや性的暴力は、個人としての尊厳や人権を著しく侵害し、児童、生徒はもとより保護者や地域社会と学校との信頼関係を著しく損なうことにつながります。

 特に、教職員による児童、生徒に対するセクシュアルハラスメントは、大人と子供、指導する側とされる側という状況のもとで、児童、生徒の心を傷付け、その後の成長に避けがたい影響を与えるものであり、極めて重大な問題であります。そのことを教職員が十分に認識して、児童、生徒の指導に当たるとともに、市の取り組みについても理解を深めることが重要であると考えています。

 そのために、今後、教職員研修等の充実に努めてまいりたいと考えておりますので、御理解いただきますようお願いします。

◯堀家啓男助役 枚方市の位置指定道路の設置者不明のドラム缶についての御質問をいただきました。お答えをいたします。

 ドラム缶撤去についての方法につきましては、本市条例やまた法的な取り扱いにも関連することでございますので、住民の皆様方とも十分相談させていただきたいというふうに考えますので、よろしくお願いいたします。

 

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