平成14年6月議会

 

◯池上典子議員 平成14年6月議会での一般質問も私が最後になります。

 質問の機会を与えていただきましてありがとうございます。

 最後ということで、若干重複する部分がありますが、なるべく角度を変えた質問にしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

 では、通告に従いまして質問いたします。

 市長の政治姿勢について。

 中司市長は、今年で2期8年間の最終年度を迎えられました。選挙で市民から選ばれる身としては、枚方市では私も市長と同期生ですので、振り返るとあっと言う間の7年数カ月という気もしますが、一方で、よくぞ7年数カ月もったという感慨もわいてまいります。

 改めて平成7年4月の情景を昨日のことのように思い出すのですが、市長はいかがでしょうか。もう遠い過去の出来事のようになってしまいましたか。きっとそんなことはないと思います。また、そうであってほしいと願っています。あのとき市長を当選させたエネルギーの源泉は、言うまでもなく無党派の市民の力だったと思います。既得権益や特定の組織に縛られていないごく普通の市民の願いや期待が大きな力となって中司市政を誕生させたことは、紛れもない事実であります。

 しかし、残念なことに、今日の枚方市政を見ておりますと、本来、最も強く中司市長を支持していた市民、先ほど言いました既得権益や特定の組織に縛られていないごく普通の市民の生活やニーズに、施策がうまくマッチしていないように思えます。もちろん、何十年にも及ぶ過去のしがらみや負の遺産が蓄積しているわけですから、既得権益にしがみ付く団体や特定の組織に縛られた市民に向けた施策を一気にゼロにすることはできないと思います。

 しかし、中司市長は、市政の流れを変えよう、新しい枚方を作ろうと市民に訴えて当選されたわけですから、それを成し遂げる使命があると思います。

 そこで、お聞きしたいのですが、中司市長は、本当に今後も市政の流れを変え続ける覚悟をお持ちですか。そして、既得権益や特定の組織のために行われているような施策を大胆に見直していく決意をお持ちですか、市長の答弁を求めます。

 事務事業評価について。

 平成13年度事務事業評価検証状況が4月に報告されました。182事業の中で、15事業の廃止の方向を出されるなど、期待していた以上に徹底した検証がされていると高く評価するものであります。しかし、この結果を行政マネジメントのサイクルであるPDCA、プラン、ドゥ、チェック、アクションの中で生かしてこそ行政評価の意義があるわけです。

 そこで、二、三の事業について、評価結果を受けて、今後どのような取り組みをしていかれるのかを、それぞれの担当部長にお尋ねしたいと思います。

 まず、非効率、対象者が少ない、見直しの上で継続とされた市政モニター事業について、お尋ねします。

 次に、多額の費用で大きな箱物建設、構想自体を見直す必要あり、廃止とされている仮称リサイクルプラザ整備事業について、お尋ねします。

 最後に、市民学習という最も自主性を尊重すべき事業を市の事業として実施している、基本的な姿勢が問題、廃止とされている市民学級事業。

 以上、それぞれの担当部長からお答えを求めます。

 3番目の市職員の住居手当について。

 昨年の9月から枚方市のホームページに条例集が掲載されております。その中に、枚方市職員給与条例第19条の2、住居手当があります。そこでは、借家に住んでいる職員には2万7,000円を限度、借家以外については3,800円を限度として住居手当を支給すると明記されています。例規集で言えば717ページ、住居手当、第19条の2です。

 ところが、現実の支給限度額は2万7,000円が3万3,000円、3,800円が9,800円になっているわけです。給与条例第19条の2の金額と実質支給の限度額に6,000円の差額があるわけです。

 借家、持ち家の別があっても、居住する住宅に対する手当ということで、親元から通っていても、1軒の家に職員2人で住んでいても、3,300人ほとんどすべての職員が住居手当の対象者となるわけです。その差額分が、年間にすれば、6,000円掛ける3,300人掛ける12カ月で約2億4,000万円に上ります。

 住居手当6,000円の差額分、年間2億4,000万円の説明を求めます。

 学校教育について。

 本年度より完全学校週5日制が実施され、子どもたちが家庭や地域で過ごす時間が長くなりました。その流れの中で、今議会においても、多くの議員からの質問がありましたが、現在、小学校区で行っておられるふれ愛・フリー・スクエア事業や、中学校区単位で行っておられる地域教育協議会(すこやかネット)の取り組みは、家庭や地域の教育力を引き出し、子どもたちがさまざまな体験や交流の機会を通じて、自ら学び、自ら考える力や、豊かな人間性をはぐくむ場として、その一歩を歩み出しました。

 そして、これらの取り組みは、家庭や地域からの多くのボランティアの方たちによって支えられていくわけです。

 そこで、教育長に次のことについて、お尋ねいたします。

 完全学校週5日制に伴い、市内あちこちの学校で無償ボランティアの方々によるさまざまな活動が始まっているわけですが、では、教師は、子どもたちを育てることを職業としておられます。当然、給与も得ておられます。学習指導要領も新しくなった今、プロとしての教師に求められている教育とは何か。また、教育委員会としては、どのような教師を育てようとされているのか、単刀直入にお答えをいただきたいと思います。

 5.退職職員の再任用について。

 先ほどもありましたが、枚方市職員の1人平均年人件費は940万円を超えております。それら年収を享受した職員に、退職時3,000万円前後の退職金を支払い、再度雇用するわけです。本年度の新卒採用者は2名、再任用者は27名です。年金制度の根幹にもかかわる異常な数字であり、市民感情から見ても全く相入れないものです。

 既に、市民から制度の廃止を求める署名等の動きが出ており、私のもとにも市民から抗議の声が多数寄せられております。市長自らの手でこの条例の廃止をされるべきだと考えますが、見解をお聞かせください。

 非常勤職員に関する条例について。

 先ほどの高橋議員に対する答弁の中で、市長より、時機を逸することなく検証、検討を加えていくとの御答弁をいただきましたので、質問については割愛させていただきますが、非常勤職員に関する条例については、人件費の多寡ではなく、行政執行、税の執行に対する違法性を論じていることを重ねて申し添えます。

 以上で、1回目の質問を終わります。

◯井戸晴彦理事兼市長公室長 2番目の事務事業評価に関連いたします市政モニターについて、お答えいたします。

 市民の声を市政に反映させる方策といたしまして、市政モニター制度は、これまで一定の役割を果たしてきましたが、今日、情報化が進む中で、パブリックコメント制度について、現在検討しているところでございます。

 今後は、事務事業評価も踏まえた上で、市政モニター制度の在り方、手法等の見直しを図りたいと考えておりますので、よろしく御理解賜りますようお願い申し上げます。

◯木村 峻環境対策部第一事業所長 事務事業評価に関連して、リサイクルプラザの御質問にお答えいたします。

 リサイクルプラザの整備事業につきましては、本市の財政状況や環境及び清掃関連の法改正に伴いまして、施設の整備構想が現実にそぐわなくなったことを踏まえまして、平成12年に計画の凍結を打ち出しました。市議会にも御報告をさせていただいたものでございます。

 今後の方向性につきましては、事務事業評価の検証結果とも一致させていく考えです。具体的には、現在見直しを進めている廃棄物処理基本計画の中で明らかにしてまいりますので、よろしくお願いいたします。

◯武 正行教育委員会事務局社会教育部長 次に、2番目、事務事業評価についてのうち、市民学級事業について、お答えします。

 市民学級については、市民が自主・自立的に運営を行っていくものという趣旨から、事務事業評価結果も踏まえ、今後、廃止に向けて進めてまいりたいと考えております。

 なお、講師の依頼、広報の掲載及び登録制度等の側面的な協力については、経過的な処置として、引き続き行ってまいりたいと考えますので、よろしくお願いいたします。

◯小池正明総務部長 市職員の住居手当について、お答えいたします。

 住居手当の支給額は、職員給与条例第19条の2及び附則によって定めており、借家の者については、家賃額に応じ1月につき3万3,000円以内の額を、借家以外の者については、月額9,800円を限度として支給しています。

 御指摘の差額は、附則で規定している部分であり、昭和57年に3,500円、平成2年に1,000円、平成4年に1,500円をそれぞれ加算する旨の条例改正を行い、合わせて6,000円を支給しているものでございます。

 なお、昭和62年に5,800円を支給する規定がありますが、現在は適用しておりません。これらは、特例的な措置として支給するものであることから、条例本文ではなく附則で規定しているものです。

◯中野一雄教育長 学校教育について、お答えします。

 学校教育で大切にすべきこととして、まず第1に、子どもたちに学力を付けること、第2に、社会規範を身に付けさせること、第3に、保護者の信頼を得ることの3つが挙げられます。

 今回の教育改革において大切なことは、学校教育の原点とも言うべき基礎学力を付けることに徹して、学校で学力を付けてほしいという保護者の要望にこたえる必要があると考えています。

 本年度は、まず、授業時数を確保するために、小学校高学年は週29時間、中学校は週30時間の確保を指示しています。そして、指導法を工夫し、授業を充実させ、その内容を公開して、説明責任が果たせる学校運営を進めていくよう指示しています。

 これからは、個々の子どもたちが基準に到達しているかどうかで評価が変わります。したがいまして、確実に学力を付けてやることが教師の使命となってまいります。子どもたちに確かな学力を身に付けさせることに熱意を持って取り組む教師の育成を図ってまいりたいと考えています。よろしく御理解くださいますようお願いいたします。

◯中司 宏市長 池上議員の御質問にお答えいたします。

 まず、政治姿勢についてですが、市長として2期目の最終年度を迎えました。常に幅広い市民の立場に立ち、偏らない、しがらみにとらわれない施策を実現していくという初心に変わりはありませんし、また、変わりがあってはならないと常に戒めているところでございます。

 こうした姿勢のもとに、すべての事務事業について評価を行い、市民と行政との役割を明確にし、行政として市民への説明責任を果たしてまいりたいと考えております。

 今後とも、強い意思と情熱を持って構造改革を実現し、21世紀の枚方の新しい時代を切り開いていく決意で臨んでまいりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、再任用について、お答えいたします。

 再任用につきましては、制度創設に当たって、民間の雇用状況にかんがみ、厳しい指摘、御意見をいただきました。このことを受けて、本年4月に厳しい選考の上、再任用を行ったところであります。引き続き、厳しい対応を行ってまいります。

 また、職員の新規採用につきましては、庁内の活性化や職員の年齢構成上のバランスからも重要でありますので、今後、第2次行政改革推進実施計画との整合性を確保しながら、将来を見据えた職員採用計画を早急に策定し、計画的に進めてまいりますので、よろしくお願いします。

◯池上典子議員 2回目の質問に入らせていただきます。

 市長の政治姿勢について。

 ことしは市制施行55周年記念事業が行われます。100年はわかる、50年も理解できる、30年もあるかなと思う、でも55周年って何って思ってしまうのです。それも財政再建準用団体転落かと大騒ぎをしたのは、ほんの二、三年前です。市民の方にも多くの公共料金の値上げ、行政サービスの縮小に理解いただいてきたわけです。

 また、今回は、各自治会の代表者の方々も表彰の対象としていくと『フロムTo』に記載されております。市長は、常々市民をパートナーと呼んでこられました。表彰とは、上から下へ与えられるものです。肩を組む者同士の表彰などはあり得ないわけです。55周年記念事業を例として出させていただきましたが、市長の方向性が見えなくなるときがあります。今回は意見にとどめます。

 市職員の住居手当について。

 住居手当について、2回目の質問をさせていただきます。

 枚方市の場合、住宅手当の支給には2種類あります。人事院勧告に基づくものと市独自の上乗せです。人事院勧告による住宅手当額の上乗せは、その都度、職員給与条例第19条の2の住居手当の本文の数字をきちんと改正してあります。ですから、条例さえ見ればいつも現在金額が明らかなのです。これが支給限度額、借家2万7,000円、その他3,800円の部分です。

 次に、6,000円分、市独自の上乗せ部分ですが、お手元の例規集をごらんください。例規集の747ページ、昭和57年に3,500円の上乗せです。例規集の753ページ、昭和62年に5,800円の上乗せです。例規集の755ページ、平成2年に1,000円の上乗せ、例規集の758ページ、平成4年に1,500円の上乗せ、以上4件の上乗せ。5,800円については現在適用されていないということですが、附則としては生きているわけです。市独自の上乗せ部分のみが例規集のあちこちに散りばめられ、合計すると1人6,000円、年間2億4,000万円に上り、附則、附則の継ぎはぎで、非常にあいまいな規定となっております。

 以下、お尋ねします。

 5,800円は適用しません。3,500円と1,000円、1,500円は適用します等、何億円にも上る人件費支出が何の基準もなくあいまいなまま適用され、適用されない。このようなことが許されるのか、お尋ねします。

 3,500円の上乗せについては、「当分の間」との文言が入っています。まさに時限立法としての議会合意だったわけです。既に20年が経過しております。いつまで続けるおつもりなのか、お尋ねします。

 1,000円の上乗せ、1,500円の上乗せについても、その頭に「住居手当の特例」とあります。特別の例外として議会合意を与えられたわけです。これらも10年たっております。いつまで続けるのか、お尋ねします。

 また、3,500円上乗せについては、適用されていないと言われた5,800円の上乗せと同様、支給することができる規定であります。雇用者としての義務規定ではなく、単なるできる規定ということです。だからこそ5,800円の上乗せについては、その支給がされないことも許されるわけです。5,800円については、その上乗せが停止されております。3,500円の上乗せについて、停止されるお考えはありませんか。以上、お尋ねします。

 学校教育について。

 教育長の明確な御答弁をありがとうございました。

 大変申し上げにくいことですが、教育現場の中では、教科書を最後までやる必要はないのだとか、勉強だけではないとの言葉も教師から多々聞こえてまいります。勉強だけでないことは重々理解しておりますが、授業に付いていけない子どもを塾に通わせ、宿題を見てやり、土曜日の放課後事業にボランティアとして協力をし、温かい食事を用意し、いじめの傷跡をいやし、自分自身の仕事もこなしと、保護者の悲鳴があるのもまた事実であります。地域ボランティアの方にしても、じゃ、先生は何をするのという声も聞こえてまいります。

 教育長の明確なお答えにありましたが、学校は、第1に、子どもたちに学力を付けること、これは給与を受けるプロとして全面的に先生にお任せしたいと思います。そして、子どもたちに確かな学力を身に付けさせることに熱意を持って取り組む教師を育成していくと言われる教育長の言葉に期待をいたします。15歳の春、それぞれの社会に飛び立つすべての子どもたちに、できるだけの知識を持たせてやること、これが義務教育の基本であると考えます。

 第2の社会規範を身に付けること、これは、家庭も地域も教師とともに取り組む課題であると思います。

 第3の信頼についてですが、子どもたちに学力を付け、社会規範を身に付けさせることに真摯に取り組む学校に対し、保護者、地域の信頼は、結果として得られると考えております。期待しておりますので、よろしくお願いいたします。

 以上、2回目の質問を終わります。

◯小池正明総務部長 市職員の住居手当について、お答えいたします。

 これらの規定につきましては、その時々の社会情勢や住宅事情等を考慮して決められてきたところであり、御理解をお願いいたしたいと存じます。

 規定方法などにつきましては、御指摘のとおり、わかりにくいという面もございますので、現在では適用されていない規定につきましては、今後、大幅な条例改正を行う際には、一定の整理を検討したいと考えておりますので、よろしくお願いいたします。

◯池上典子議員 3回目の質問で大変恐縮ですが、市職員の住居手当について、最後の質問に入らせていただきます。

 以下、3点の理由により、枚方市独自上乗せ分の廃止を求め、市長に見解をお尋ねします。

 1点目、昭和62年、住居手当の上乗せを議会に上程した際、その提案理由として、給料月額の減額による生活保障として住居手当に加算するとの言葉が出てまいります。これは、住居手当の名目は付いているが、実質は、ほとんどすべての職員に対する給与の上乗せであり、職員の給与について、給料表、昇給の基準に関する事項等、条例で厳格に定めることを求めた地方公務員法第25条の趣旨に反する脱法行為ではないのかとの疑念を抱かせるものであります。

 2点目、初めて市独自の住居手当の上乗せ3,500円が議会に上程されたのは昭和56年12月議会であります。行政側と議会との激しい質疑応答があり、最後の長谷川議長の「原案のとおり決することに御異議ありませんか」に大きな「異議あり」の声を挙げられたのが、20年前の若き今市隆雄議員でありました。人事院勧告による住居手当の増額1,000円も同時に上程されておりました。これについては、全会一致で第19条の2の条例改正が通過していることを考えれば、市独自の上乗せは、当時においても多くの問題を抱えていたはずです。

 3点目、現在、枚方市職員の平均人件費が1人年940万円です。住居手当の上乗せまでしなければ住居の確保ができない状況とはとても考えられません。

 以上の理由により、市独自の住居手当上乗せ分1人6,000円、合計年約2億4,000万円について、早急に廃止すべきだと考えますが、市長の見解をお示しください。

 これですべての質問を終わります。

◯中司 宏市長 池上議員の3回目の御質問にお答えいたします。

 市職員の住居手当についてですが、先ほど総務部長が答弁いたしましたとおり、住居手当につきましては、その時々の社会情勢や住宅事情等を考慮して支給してきたところでございます。

 これまでから、各種手当につきましては一定の整理をしてきておりますが、御指摘の点につきましても、現在の社会情勢に適応するように、適切な処置が講じられるよう検討してまいりますので、よろしくお願いいたします。

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